ペンキアーティストのショーゲンさんが、その修業のためアフリカの小さな村で生活していたころに村人から教わった数々のエピソード。
そのエピソードはいずれもシンプルですが、深く考えさせられます。
実は、本書の題名にもある「今日、誰のために生きる?」というのは、その村での挨拶なんです。
皆さんは、誰のために生きますか?
また、その村の挨拶では、「空を見上げてる?」というのもあるそうです。
これは空を見上げる心の余裕があるかを大事にしているということだそうです。
皆さんは、心の余裕はありますか?
常に何かに追われているような日々を送っている現代日本人にとってはなかなか難しい問題です。
ホッとしている状況にあったとしても、無意識に何かをしないといけないと思っているのは、これまでの人生における価値観なのかもしれません。
普段の生活では、無駄を省くこと、合理性を求めることを善とすることが多いと思います。
しかし、帯にもありますが、「効率よく生きたいなら、生まれてすぐ死ねばいい」
本当の喜びや幸せは合理性だけでは見いだせないものなんです。
本書では、本当に大切なものは何かということを改めて考えさせてくれます。
また、その村での各エピソードは日本が深く関わっています。
村長は、日本人の精神性や感覚を素晴らしいものと捉え、以下のように言っています。
日本人は、虫の声がメロディーとして聞こえる。その素晴らしさは当たり前じゃない。
幸せとは何か、本当に大切なことは何か、それがすでに日本人は分かっている。
実は、私達日本人は、普段は忘れているだけで、大事なものをすでに分かっているんです。
それを思い出すべく、時には、自然と一体となり、心の余裕をもってのんびりしてみるのもいいかもしれませんね。