
幼い頃から、古書店を営んでいた祖父と暮らしていた高校生の夏木林太郎。
その祖父を亡くすところからこの物語はスタートします。
残された書店と名著の数々に取り囲まれた林太郎は一匹のトラネコと出会い、本を守るために力を貸してほしいと頼まれまず。
トラネコとの絶妙なやり取りの末、林太郎はトラネコと共に不思議な光りに包まれた通路を進んでいくことになります。
本を守る、とは一体どういうことなんでしょう。
「本」は不思議な物です。
物質的には、文字が羅列してある紙切れの束です。
しかし、本を読むことで、落ち込んでいる自分を励ますこともあれば、新たな視点を生み出し抱えている問題を解決することもありますし、時には自分の人生を変えてしまうこともあります。
前に読んだ物であっても、次に読むとまた新たな発見があったりすることもあります。
本には力があります。
それに加えて、著者の想いが強く入っている本もあり、その本には魂があるといっても過言ではありません。
その魂と自分が共鳴できたときには、本当に感動します。
物語では、本を守るために林太郎が色んな人と対峙していきますが、これは最近の本やその読まれ方に対して警鐘を鳴らしているものです。
本書を読むことで、様々な考え方があることを前提に、本来の本の素晴らしさを改めて知ってもらえると思います。
なお、著書による「解説にかえて」という後書きも、殺伐とする現在に対する考察が書かれており、大変興味深いものでした。
これを踏まえて、本書を再読するとまた新たな視点が生まれるかもしれません。
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