皆さんは「トロッコ問題」をご存じでしょうか。
①トロッコがトラブルで暴走しました。
その先には5人の作業員が居て、このままトロッコが突っ込むと5人全員が死んでしまいます。
②あなたはそのトロッコの進路を切り替えるレバーの目の前に居て、あなたがそのレバーを引けば進路が切り替わり、5人の命を助けることが出来ます。
③しかし、進路を切り替えた先には別の1人の作業員が居て、あなたが進路を切り替えたことにより、その1人の作業員が死んでしまいます。
この時、あなたならどうしますか?という難問です。
これに対する考え方は人それぞれであると思いますが、結局は、その人が何を大切と考えているのかということです。
言い換えれば、その人の「正義」は何なのか。
本書は、正義の判断基準について、平等、自由、宗教の3つであるとし、それぞれについて具体例や問題点について触れられています。
哲学に関してはとっつきにくいイメージがありますが、本書は高校の生徒会を舞台とするストーリー仕立てで、とても読みやすく、また、内容についてもスッと頭に入る分かりやすい記載となっています。
正義には色んな考え方があり、人それぞれが何を正義としているのかが異なる。
しかも、それは必ずしも間違っているとは言えない。
言い換えれば、
自分の「正義」と、目の前の人の「正義」が同じであるとは限らない。
だからといって、目の前の人が間違っているとは言えない。
ということです。
何となくでもこのことを頭に入れておくと、ふとしたときに気持ちが楽になったり、何かのヒントになったりするかもしれません。